≪ 温泉の物理的効果 ≫
●温熱効果
微温浴(水温37〜39℃)は細胞の新陳代謝を活発にし、汗などと一緒に体内の老廃物を排出します。
心臓や血圧にも負担をかけずリラックス状態になり、副交感神経の働が良くなります。
神経系及び循環器系の興奮を抑えるので、お休み前には最適です。
高温浴(水温42℃以上)は疲労回復、鎮痛効果があります。
体温や血圧や脈拍を上昇させ交感神経の働きを良くします。
神経系及び循環器系の興奮させ刺激するので、気分転換やリフレッシュには最適です。
●水圧効果
温泉に入ると体の表面に圧力がかかります。
水圧は下肢の周りで約1cm程、腹部の周りは約3〜5cm程縮むそうです。
これにより肺が圧迫され呼吸数が増え、心臓の働きを活発にします。
血流が良くなる事で疲労物質である乳酸菌などが排出され、疲労回復につながります。
循環器系や筋肉骨格系の鍛錬になります。
●浮力効果
温泉の中では体重が約9分の1になり体を楽に動かす事が出来ます。
筋肉痛なども和らぎます。
普段は運動が困難な方も筋肉トレーニングやリハビリに役立ちます。
≪ 温泉の薬理効果 ≫
●単純温泉
鉱物分・ガス分の含有量が少ない温泉(温泉1kg中に1g未満)で透明で無味無臭です。
所により様々ですがバランスの良い泉質と言えるかもしれません。
効能 : 神経痛,筋肉痛,関節痛,うちみ,冷え性,疲労回復
●塩化物泉
食塩を多く含む温泉(1kg中の溶存成分が1,000mgを超)しょっぱい味がします。
含有量が特に多い温泉は浮力効果が更に加わります。
効能 : 外傷,慢性皮膚病,ねんざ,うちみ,リウマチ,上妊症,痛風,やけど,血管硬化症
女性の更年期障害
●硫黄泉
硫黄または硫化水素を多く含む温泉で白濁して卵の腐ったような臭いがします。
硫化水素系の場合十分な喚起を行わないと中毒症状を起こす事があります。
入浴の際は金属製のアクセサリー等は外しましょう。
効能 : 皮膚病,リウマチ,喘息,婦人病,糖尿病,ニキビ
*入浴注意 : 病中病後の方,乾燥肌の方,リウマチや喘息の患者
●炭酸水素塩泉
アルカリ性の湯で重曹泉と重炭酸土類泉があります。
美肌効果があると言われています。
効能 : 疲労回復,病後の体力補強,外傷,皮膚病,アトピー性皮膚炎,アレルギー疾患
*入浴注意 : 皮膚の弱い方(一時的だが炎症を起こす場合があるため真水で洗い流す事)
●酸性泉
硫酸・塩酸などを多く含み酸性反応を示す温泉(pH3以下)で、刺激が強く殺菌効果があります。
自然治癒力を高める効果があると言われています。
効能 : 水虫,湿疹,慢性皮膚病
*入浴注意 : 皮膚の弱い方
●二酸化炭素泉
二酸化炭素が溶け込んだ温泉で単純炭酸泉とも呼ばれ、無色透明です。
呼吸器と循環器を刺激し毛細血管を拡張し血行を促進します。
効能 : 心臓病や高血圧の改善
*入浴注意 : 循環器や呼吸器の疾病を持つ患者
●硫酸塩泉
硫酸塩が含まれる温泉で味は苦味があります。
カルシウムを多く含む泉質の場合、滑らかな触感があります。
硬くなった肌を柔らかくする効果があり血行も促進します。
効能 : きりきず,やけど,肩こり,腰痛,神経痛,痛風,慢性皮膚病,動脈硬化症
●含鉄泉
炭酸鉄や硫酸鉄を含む温泉で鉄分が酸化するため色は茶褐色です。
殺菌消毒作用があり保湿効果が高いため体の芯から温まります。
効能 : 月経障害,貧血
●含銅・鉄泉
銅及び鉄を多く含む温泉で金属分が酸化するため色は黄色です。
銅にも殺菌消毒作用があります。
効能 : 月経障害,高血圧症
●含アルミニウム泉
アルミニウムを主成分とする温泉で明礬泉や緑礬泉などと呼ばれる場合もあるそうです。
殺菌消毒作用があります。
眼病にも効果をもたらすと言われています。
効能 : 慢性皮膚病,水虫,じんましん
●放射能泉
微量のラジウムやラドンなど原子核崩壊によって生じる放射性同位体が含まれる温泉です。
ラジウムの含有量の多いものはラジウム泉と呼ばれます。
放射性同位体と言っても人体に悪影響を及ぼす可能性は少なくむしろ免疫細胞を活性化
させるので体に良いと言われています。
効能 : 痛風,動脈硬化症,高血圧症,慢性胆嚢炎,胆石症,慢性皮膚病,慢性婦人病
≪ 温泉の環境効果 ≫
温泉の魅力と言えば、緑に囲まれた山の中や川べりそして海が見える海岸沿いなど、自然の中でゆったりとくつろぐげますよね。
鳥のさえずりや虫の声、川のせせらぎや波の音そしてお湯の流れ出る音まで、自然は聴覚でも癒しを与えてくれます。
こういった日常とは違う環境の中で、広々とした温泉に入る事によってリラックス出来、ストレスを和らげてくれます。
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